CHEMOTHERAPY
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TE-031の皮膚感染症に対する基礎的・臨床的検討
塙 伸太郎八木 くみ高橋 久
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1988 年 36 巻 Supplement3 号 p. 950-954

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抄録

昭和61年7月から9月に至る3ヶ月間に新マクロライド系抗生物質TE-031の経口投与によって14例 (17例中3例脱落) の皮膚化膿性疾患の治療を行なった。疾患の内訳は第1群毛嚢炎など8例, 第II群癌など2例, 第III群伝染性膿痂疹1例, 第IV群蜂窩織炎2例, 第V群感染性粉瘤1例であった。臨床的効果は, 著効4例, 有効4例, やや有効3例, 無効3例であり, 有効率は57.1%と低値であったが, これは第I群において重症, 中等症の毛嚢炎や集簇性座瘡が多かったことが影響したためと考えられる。
4例にTE-031錠200mgを内服投与して約4時間後, 摘出した皮膚の組織内濃度を測定したところ, 6.35μg/gを最高として4例中3例にて血清中濃度の約5倍から6倍の組織内濃度が得られた。

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© 社団法人日本化学療法学会
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