CHEMOTHERAPY
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T-3262の臨床第I相試験における血中, 尿中および糞中代謝物について
田井 賢杉本 由美子片山 祐子前田 豊男
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1988 年 36 巻 Supplement9-Base 号 p. 208-215

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抄録

新しいピリドンカルボン酸系合成抗菌剤であるT-3262の臨床第1相試験で得られた血清および尿を用いて, T-3262の代謝を検討し以下の知見を得た。
1) 血清中には, T-3262未変化体以外に7位アミノピロリジン環のアミノ基が水酸基となったT-3262BおよびT-3262Bのグルクロン酸抱合体が検出された。
2) 尿中には, T-3262未変化体以外に7位アミノピロリジン環のアミノ基がアセチル化されたT-3262A, T-3262Bおよびこれらのグルクロン酸抱合体が認められた。
3) 尿中の代謝物も含めた総回収率には食事の影響が認められ, 食後投与のほうが空腹時投与より高かった。
4) 連続投与での, 尿中総回収率, 代謝物の種類は単回投与と差が認められなかった。
5) 糞中には, T-3262未変化体以外にT-3262AおよびT-3262Bが認められた。
6) 血中および尿中には, T-3262の塩として用いられたp-トルエンスルホン酸が認められた。

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