CHEMOTHERAPY
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新cephem系抗生剤Cefpiromeの細菌学的評価
五島 瑳智子笠井 一弘宮崎 修一辻 明良金子 康子
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1991 年 39 巻 Supplement1 号 p. 29-39

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抄録

新注射用cephem剤cefpirome sulfate (CPR) のin vitro抗菌力をcefazolm (CEZ), cefotaxlme (CTX), cefmenoxime (CMX), cofoperazone (CPZ), ceftizoxime (CZX), latamoxef (LMOX), Ampicillin (ABPC), methiciLLin (DMPPC) と比較した。またin vivo実験にはcefsulodin (CFS), ceftazidime (CAZ), gentamicin (GM) を加え, 菌種により薬剤を選択して各薬剤の抗菌力を比較した。
CPRは, グラム陽性菌, グラム陰性菌に広域のスペクトルを有し, 特にMRSAを含むStaphylococcus属, 腸内細菌科の各菌種に対し, 比較した第3世氏cephom剤より強い抗菌力を有した。さらに, Pseudomonas aeruginosaを含むブドウ糖非発酵菌に対し, CAZより若干弱いが, 他の第3世代cephem剤より強い傾向を示した。
菌の産生する薬剤不活化酵素に対してCPRは, CSase type, CXase type, PCase typeいずれの酵素にも安定であった。
マウス単独全身感染モデル (Staphylococcus aureusEscherichia coli各2株およびKlebsiella pneumoniae, Citrobacter freundii, P.aeruginosa各1株) およびE.coliP.aeruginosaとの混合感染モデルにおいても良好な治療効果を示した。

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© 社団法人日本化学療法学会
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