1991 年 39 巻 Supplement4 号 p. 13-29
Sparfloxacinのin vitro, in vivo抗菌力をciprofloxacin, enoxacin, ofloxacin, norfloxacinと比較評価し, 以下のような成績を得た。
1. 本剤は, methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) を含むStaphylococcus属やEntervcoccus faecalisなどグラム陽性球菌に対し対照薬剤より強い抗菌力を示した。また, 腸内細菌科の菌種, ブドウ糖非発酵菌, Bacteroides fragilis, Clostridium difficileに対してはciprofloxacinと同等かやや弱いが, 他の対照薬剤より強い抗菌力を有する広域スペクトルの抗菌薬であった。
2. MRSA, Pseudomonas aeruginosaなどを用いたマウス全身感染モデル, Mebsiella pneumoniaeによる肺感染モデルおよびEscherichia coli, Serratia marcescensを感染菌とした尿路感染モデルでのsparfloxacinの治療効果は総合的にciprofloxacinやofloxacinと同等であった。
3. 経口投与後のマウス血清中および腎内の最高濃度はofloxacin, enoxacinより低かったが, 肺内濃度はsparfloxacinが一番高く, しかも, 薬剤濃度の経時的推移パターンは他剤よりも良好でT1/2, AUCともに高い数値を示した。