CHEMOTHERAPY
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呼吸器感染症に対するMeropenemの臨床的検討
佐藤 篤彦岩田 政敏千田 金吾岡野 昌彦谷口 正実岡野 博一松原 環渡辺 孝芳岸本 肇白井 正浩
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1992 年 40 巻 Supplement1 号 p. 827-835

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抄録
新しい注射用カルバペネム系抗生剤meropenemを呼吸器系感染症患者32名に投与し, 臨床的効果, 安全性について検討した。
内訳は肺炎23例, 肺膿瘍1例, 気管支肺炎2例, その他6例の計32例に本剤1回0.5g, 1日2回, 5~20日間使用した。びまん性間質性肺炎の1例を除き有効性の評価可能な症例は31例であった。結果は, 著効20例, 有効8例, やや有効3例であり, 有効率は90.3%であった。重症度別では, 軽症100%, 中等症90.9%, 重症85.7%の有効率であった。細菌学的効果は, 20株中18株が消失, 2株が不変であった。副作用は蕁麻疹が1例みられ, 臨床検査成績ではBUN, s-Cr, Kの上昇および好塩基球, 好酸球, Kの上昇が各々1例, GPT上昇1例, 好酸球上昇1例の計4例に異常がみられた。本剤は中等症ないし重症の呼吸器感染症に対しても有用性が期待される薬剤と考えられた。
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© 社団法人日本化学療法学会
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