CHEMOTHERAPY
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ニューキノロン剤の中枢神経系副作用とヒト髄液内移行の検討
稲土 博右増田 愛一郎在原 和夫岡田 敬司河村 信夫
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1993 年 41 巻 6 号 p. 649-654

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抄録

ニューキノロン剤は, その強い抗菌活性と広い抗菌スペクトルにより, 幅広く臨床使用されている。一方, 中枢神経系副作用が他系統の薬剤に比べ多く見られ, 問題となっている。その原因解明の一端として, 髄液内移行につき検討した。腰椎麻酔を要した泌尿器科入院患者で中枢神経系の疾患のない146名を対象とし, onoxacin (OFLX), sparnoxacin (SPFX), neroxacin (FLRX), tosunoxacin (TFLX), temanoxacin (TMFX) を単回・経口投与した後, 髄液と血清を採取し, その濃度を経時的に測定し, 髄液内移行性・残存性を比較した。髄液内へ移行しやすい順に各薬剤を並べると, SPFX・FLRX>OFLX・TMFX>TFLXの順となった。髄液内残存性を示したのは, FLRX・TMFXであった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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