日本化学療法学会雑誌
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Balofloxacinの経口Theophylline血中濃度に及ぼす影響
橋口 浩二中林 美枝子吉田 耕一郎宮下 修行中島 正光二木 芳人副島 林造
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キーワード: 薬物相互作用
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1995 年 43 巻 Supplement5 号 p. 168-173

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抄録

新しい経口new quinolone系合成抗菌薬balofloxacin (BLFX) のtheophylline (TP) 血中濃度に及ぼす影響を5人の健康成人男子ボランティアを用いて検討した。
あらかじめ4日間1日400mgの徐放性経口TP製剤を投与して, 4日目にコントロールの採血を行った。その後5日間BLFX1日200mgを併用し, 併用3日目, 5日目に採血し, コントロールのTP血中濃度と比較検討した。
併用3日目では最高血中濃度 (Cmax) で6.4%, 濃度曲線下面積 (AUC0~10) で8.2%(各5人平均) のTP血中濃度の減少がみられ, 5日目では各々0.3%, 1.3%の増加, 減少であった。Total body clearanceは3日目, 5日目でそれぞれ8.2%, 0.3%の増加を示したが, 各々統計学的には有意差は認められなかった。
臨床的副作用は認められず我々の分類ではBLFXは第III群に属し, TPへの影響は殆どないものと考えられた。

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