日本化学療法学会雑誌
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尿道炎に対するbalofloxacinの臨床効果
小野寺 昭一清田 浩後藤 博一川原 元五十嵐 宏大石 幸彦岡崎 武二郎
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1995 年 43 巻 Supplement5 号 p. 299-303

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抄録

経口用キノロン薬balofloxacinの尿道炎に対する臨床効果について検討した。対象は淋菌性尿道炎20例, 淋菌性クラミジア性尿道炎4例, クラミジア性尿道炎17例, 非淋菌性非クラミジア性尿道炎26例の計67例であった。本剤の投与方法は, 淋菌性尿道炎には1回200mg, 非淋菌性尿道炎には1回100mgをそれぞれ1日2回, 2日~14日間経口投与した。
UTI薬効評価基準により評価可能な35例では, 淋菌性尿道炎で著効9例, 有効8例, 淋菌性クラミジア性尿道炎で有効3例, クラミジア性尿道炎で著効13例, 有効2例で, 有効率は100%であった。
非淋菌性非クラミジア性尿道炎に対する主治医判定は, 著効24例, 有効2例で, 有効率は100%であった。投与前に分離された淋菌21株に対する本剤の抗菌力は, ofloxacin, norfloxacinおよびcipronoxacinと同等か, やや優れた活性を示した。副作用は全例に認められなかった。
以上の成績より, 本剤は淋菌性およびクラミジア性尿道炎に対して安全で有用な新規経口用キノロン薬であると考えられた。

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