日本化学療法学会雑誌
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Voriconazoleの概要
河野 茂
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2005 年 53 巻 Supplement2 号 p. 1-3

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抄録
Vohconazole (VRCZ) は, 日本では2005年4月に承認された新しいトリアゾール系抗真菌薬である。バイオアベイラビリティの高さと広範な抗真菌スペクトルが特徴であり, 従来の抗真菌薬が効きにくいCandida glabrata, Candida krusei, ならびにアスペルギルス属, フサリウム属, スケドスポリウム属にも抗真菌作用を発揮する。注射薬と経口薬の両剤形があるため, 静注療法から経口療法への切り替えも可能である。深在性真菌症の感染部位となる肺, 駐, 腎, 脳, 眼などへの組織移行性に優れている。VRCZの血清中濃度は個人差が大きいが, 血清中濃度と有効性・安全性との相関は見出されていない。造血幹細胞移植 (HSCT) 例での深在性真菌症の治療には, 日本では現在フルコナゾールまたはアムホテリシンBが用いられているが, VRCZは, 特にアスペルギルス症の治療での有効性が期待されている。深在性真菌症にVRCZを使用した日本の第III相臨床試験では, VRCZは忍容性が良好であり, アスペルギルス症, カンジダ症, クリプトコックス症において優れた有効性が確認され, 侵襲性肺アスペルギルス症にも有効であった。HSCT後の免疫抑制患者に発症した侵襲性アスペルギルス症にVRCZとアムホテリシンBを使用した海外の試験では, VRCZのほうが有意に高い有効率を示した。VRCZは, わが国の深在性真菌症治療を一新する可能性をもち, 今後の深在性真菌症の治療において優れた臨床効果を示すことが期待されている。
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