地球環境
Online ISSN : 2758-3783
Print ISSN : 1342-226X
海の季節性と魚類相の変化
川崎 健
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 17 巻 1 号 p. 37-41

詳細
抄録

 海の季節は陸上とは大きく異なる。これは海水の物理的化学的特性によるものであり、とくに熱的慣性が大きいことに由来する。表層と100m深とはまったく別の世界で、季節の進行も異なる。海洋生態系の長期変動様式も陸上生態系とは異なる特徴を示し、大気-海洋間の相互作用と連動して、レジームシフトと呼ばれる数十年スケールの変動と転換を行う。北海道-本州東方水域は、黒潮と親潮が交錯する、世界で一、二を争う生産性の高い水域であり、季節的な環境変動が大きい。常磐沖水域における水温・塩分の年変化と魚類相の季節変化を示す。地球温暖化がサンマ漁業の季節変化に及ぼす影響についても検討する。

著者関連情報
© 2012 一般社団法人国際環境研究協会
前の記事 次の記事
feedback
Top