地球環境
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論文
都市の廃棄物を活用した素材産業の脱炭素化方策の検討
藤井 実大西 悟
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2022 年 27 巻 1 号 p. 51-58

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抄録

カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に向けて,資源やエネルギーの利用効率を最大化することが求められており,適材適所で利用してその利用効率を高めることが重要である。適材適所での利用は,資源やエネルギーの特性と,用途の特性をマッチさせることが基本となる。資源の中でも,リサイクルが困難な低品位の可燃廃棄物については,発電に代わって製造工場に蒸気供給を行い,工場でボイラー燃料として利用していた天然ガスを高効率発電に利用することで,社会全体としてのエクセルギー効率の向上に繋がる。しかし,現在の焼却施設の多くは製造工場への蒸気供給に適した位置に立地していない。そこで,リサイクル困難な可燃廃棄物を選別して,石油化学コンビナートのような大規模な熱需要がある場所に集積し,大型の焼却施設(循環・再生型蒸気供給プラント)で焼却して,熱供給を行うことが想定される。このような仕組みの実現に向けて,幾つかの場所で検討が始まっている。

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© 2022 一般社団法人 国際環境研究協会
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