鳴門教育大学
2007 年 62 巻 4 号 p. 221-236
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四国山地中央部の北斜面には,「石鎚断層崖」とも呼ばれてきた「急斜面帯」がある。本論では,急斜面帯を先行谷として開析する加茂川中流域の蛇行地形の発達を考察した。その結果,次のような結論を得た。1)加茂川中流河谷は,中央構造線破砕帯を刻んで発達した断層線谷であり,断層線谷から直線状の谷や蛇行地形が発達した。2)加茂川中流域には,四国脊梁部の上昇に伴う急斜面帯の形成に関与したとみられる増傾斜運動が活構造として加わっていた。3)その増傾斜運動による隆起のフロントが岡村断層にあたる。
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