智山学報
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『金剛手灌頂タントラ』の一考察
伊藤 堯貫
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1994 年 43 巻 p. A1-A15

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抄録

『金剛手灌頂タントラ』は、酒井真典博士および頼富本宏博士の研究によって、『大日経』との関連性が指摘され、また『大日経』の先駆経典として位置づけられている。この『金剛手灌頂タントラ』を、インド・チベットの学匠ブッダグヒヤ・アティーシャ・プトン等はタントラ分類の中で『大日経』と同じカテゴリーに分類する。この昆盧舎那如来が説く法門は『大日経』と同じく身語意平等性句の法門である。この昆盧舎那如来は一切の仏・菩薩の中心に位置しており、また、あらゆる世界に自身の変化身を示現し、その一つの展開の相が娑婆世界に現れた釈迦牟尼如来である。そして、普賢菩薩を「金剛手灌頂」によって灌頂することによって、教説を付嘱する。

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1994 智山学報
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