中部日本整形外科災害外科学会雑誌
Online ISSN : 1349-0885
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原著
透析患者の腰椎における破壊性脊椎関節症の経年的変化
高橋 光彦遠藤 哲長野 顕弘江川 洋史
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1999 年 42 巻 6 号 p. 1320-1323

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抄録

破壊性脊椎関節症(DSA)は腰椎においては報告が少なく,その自然経過は十分には明らかにされていない。今回この自然経過を明らかにするため,X線所見の経年的変化を検討したので報告する。平成元年と平成10年に,腰椎の正面及び側面単純X線撮影を行った41例を対象とした。性別は男性24例,女性17例,平成10年時平均年齢58.7歳,透析期間は平成10年において平均15.2年であった。DSAは加齢変化の起こりやすい下位腰椎に多い傾向があり,透析期間とDSA発症には有意差は認めず,透析導入年齢が高いとDSA発症の頻度が有意に高かった。平成元年に変性辷りを認めた椎間では,平成10年にDSA発症頻度が有意に高かった。以上より,DSA発症には加齢変化が関与していると思われた。

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© 1999 by The Central Japan Association of Orthopaedic Surgery & Traumatology
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