中部日本整形外科災害外科学会雑誌
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原著
新規に開発された血清骨吸収マーカーTRACP-5bの骨粗鬆症の治療経過観察における検討
奥田 敏治
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2007 年 51 巻 2 号 p. 189-194

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抄録

【目的】原発性骨粗鬆症患者のアレンドロネート治療においてTRACP-5bを測定し, 治療経過観察における臨床有用性を検討した. 【対象と方法】原発性骨粗鬆症・骨減少症女性20名(54~71歳)をアレンドロネート群, 活性型ビタミンD3群に分け, 治療開始前, 治療後1, 3, 6ヵ月目に採尿, 採血を行い, TRACP-5b, BAP, DPDを測定した. 【結果】治療開始前のTRACP-5bが正常参考値上限を超える割合は70.0%に達し, アレンドロネート群では治療後1, 3ヵ月に-52.3%, -55.7%とMSCを超えて早期より安定した低下を示した. また, TRACP-5bの早期変化は治療後6ヵ月のBAP変化と高い相関を示し, 治療反応群でのTRACP-5b変化がMSCを超えた割合も高かった. 【結論】TRACP-5bはアレンドロネートにおける骨吸収抑制効果を正確に反映し, 骨吸収マーカーとして臨床有用性が高い事が示された.

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© 2007 by The Central Japan Association of Orthopaedic Surgery & Traumatology
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