中部日本整形外科災害外科学会雑誌
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症例報告
末節骨内に発生した骨内グロムス腫瘍の1例
石井 信和岸本 千恵子小西 邦彦鳥居 哲也
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2009 年 52 巻 1 号 p. 1-3

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抄録

グロムス腫瘍は動静脈吻合の過誤腫であり寒冷刺激で疼痛が増強する特徴がある. 多くは爪下に発生するが, 骨内原発はきわめてまれであり, これまでに20例弱の報告がある. 今回, 我々は中指末節骨内に発生したグロムス腫瘍の1例を経験したので報告する. 症例は54歳女性. 10年以上前から左中指DIPの腫脹を自覚していたが2006年9月に疼痛が発現し近医受診. 10月に当科を紹介受診した. 内軟骨腫と診断し腫瘍掻爬術をおこなった. 術中所見は充実性の腫瘤でなく漿液性の液体流出を認め実質成分は少量であった. 病理診断はグロムス腫瘍であった. 骨内に限局した透瞭像を呈する症例のうち自発痛を伴うものは寒冷刺激による疼痛増強の有無にかかわらず, まれな疾患であるが骨内グロムス腫瘍を挙げるべきである.

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© 2009 by The Central Japan Association of Orthopaedic Surgery & Traumatology
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