抄録
高齢級林分を含めた成長予測に対応した樹高成長曲線を調製するため,航空レーザー計測(ALS)によって得られた単木樹高データの利用を検討した。その結果,20年生未満の若齢林においては樹冠が小さく正確な樹高を取得しにくい可能性があること,80年生以上の高齢級林分においては高成長林分が伐採されやすいことや気象害等の影響により高樹高のデータが少ない傾向が認められた。林分単位の樹高データから林齢ごとの林分樹高の中央値を図化すると,既往の長野県カラマツ人工林樹高成長曲線の中心線に近い線形を示したが,若齢林や高齢林のデータが少ないことから,データの追加や現地調査による精査が必要と考えられた。