抄録
テリハボクの個体レベルの着果量評価を効率化することを目的に,UAV空撮画像から果実が定量可能か検討した上で,果実数を定量するための深層学習モデルの構築を試みた。個体あたりの果実着生数と上空から観察可能な果実数の相関を確認したところ,両者には有意な正の相関が得られ,UAV空撮画像からの着果量評価は有効であると結論付けた。次に,物体検出アルゴリズムの You Only Look Once (YOLO) の複数のモデル(YOLOv5mとYOLOv8n,s,m,l,x)を用いて果実の検出精度を比較したところ,YOLOv8nを除く全てのモデルでF1-scoreが0.8以上となり,モデルの種類によらず実用レベルの精度が得られた。精度をさらに上げていくためには,モデルの検討よりも学習データの充実が必要であると考えられた。