主催: 日本化学会情報化学部会
共催: 日本薬学会, 日本農芸化学会, 日本分析化学会, 日本コンピュータ化学会, 教育システム情報学会 (協賛)
p. P18
環境中に存在する化学物質の内で発ガン性が判明しているものは僅少であり、動物愛護の観点から動物実験のスクリーニングとして、化学物質の発ガン性を構造から予測する手法が注目され、多くの研究が行われている。現在、構造の類似した同族体については発ガン強度を高い精度で予測できる場合もあるが、不特定の構造の化学物質の発ガン性を高精度で予測することは困難である。我々は前回の本討論会において、化学物質の発ガン性予測にサポートベクターマシン(SVM)が有効であることを実証した。本研究では、約1,000種類の多種多様な化学物質の発ガン性を構造情報のみから高い精度で予測できる方法を求めて、SVMをアンサンブル学習や決定木と組み合わせた種々の方法を検討した。その結果、その中では敗者復活を取り入れた決定木とSVMを組み合わせた方法が最も高い正解率を示すことが分かった。