主催: 日本化学会情報化学部会
共催: 日本薬学会, 日本農芸化学会, 日本分析化学会, 日本コンピュータ化学会, 教育システム情報学会 (協賛)
p. O6
癌等の遺伝子疾患の治療においてRNAiが注目されている。これはsiRNAの細胞内導入により特定遺伝子の発現が抑制される現象である。 siRNAを細胞内に導入する際に用いる脂質のことをトランスフェクション試薬とよび、試薬構造により遺伝子発現抑制効率や細胞毒性といった試薬 性能が異なる。そのため効率的な試薬開発に向けて適切な試薬の構造を予測する必要があるが、その構造活性相関は未だ明白ではない。そこで本研究で は、トランスフェクション試薬の構造活性相関モデルの構築を試みた。データは既存の論文から引用した。化学構造から計算した記述子と各種実験パラ メータを説明変数とし、遺伝子発現率を目的変数とした。これまでは合成後の試薬の化学構造に対して記述子計算を行っていたが、今回は合成前のアミ ンの構造及び炭素鎖の構造に対してそれぞれ記述子計算を行った場合を検討した。その結果、PLS及びSVRモデルの q2が向上することを確認した。また炭素鎖由来の記述子はアミン由来の記述子に比べ遺伝子発現率 との相関が高い傾向が確認された。