抄録
生体イメージングに用いられる蛍光性分子の蛍光特性を説明する因子を電子状態計算の結果から解明する目的で、電子状態計算の数値データに対する データマイニングを行うシステムを開発した。このシステムは電子状態計算結果から軌道エネルギー、励起エネルギー、双極子モーメント、イオン化エ ネルギー、電子親和力を抽出し、実験値を前述の計算値の何れか一つに対して関数を用いてフィッティングを行うことにより相関を探索するものであ る。このシステムを使用して蛍光イメージング分子として有名なTokyoGreenの蛍光量子収率と電子状態データの相関を調べる解析を行った。 蛍光量子収率と最も良好な相関を得られたのはベンゼン部位に局在化した軌道エネルギーであった。