主催: 日本化学会情報化学部会
共催: 日本薬学会, 日本農芸化学会, 日本分析化学会, 日本コンピュータ化学会, 教育システム情報学会 (協賛)
p. P28
我々の研究室では、電子状態計算から得られる情報を活用して、機 能性物質を提案する手法の開発を進めている。本研究では、電子状態計算の知見からチロシナーゼ阻害剤を提案することを目的として、統計解 析手法を応用した。チロシナーゼ阻害剤の電子状態に関する記述子を用いて、各記述子と阻害活性の相関を調査した。さらに、用意したすべて の記述子を用いて多変量解析を行い、阻害活性の予測モデルを作成した。得られた予測モデルを用いて、農作物に含まれる成分の中でチロシ ナーゼ阻害剤となりうるものを検討したところ、阻害機能を有していることが既知である成分が、分析結果からも高い活性があることが予測されたことから、本手法により阻害活性の有無を予測できると示唆される。