主催: 日本化学会情報化学部会
共催: 日本薬学会, 日本農芸化学会, 日本分析化学会, 日本コンピュータ化学会
会議名: ケモインフォマティクス討論会
回次: 40
開催地: 山口
開催日: 2017/10/26 - 2017/10/27
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最近、家族性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で同定されたAKR1C3 のC154Y 変異体は、体温近傍の温度で野生型の半分の活性しか示さないことが明らかとなった。そこで、本研究では、分子動力学計算を用いて野生型AKR1C3 及びそのC154Y 変異体の溶液構造解析を行い、C154Y 変異体における活性低下の原因を立体構造の観点から考察した。その結果、C154Y 変異体では、AKR1C3 のα3ヘリックスの一部の構造が崩れることが観察された。また、C154Y 変異体においては補酵素であるNADPと残基との間に形成される水路結合が野生型より弱まっていることが示唆された。このことがC154Y 変異体の活性低下を引き起こしている原因であると考えられた。