抄録
火力発電プラントの系統水は,水質を適切に維持する必要がある.系統水に溶け込んでいる不純物は,多様なプラント障害の原因として挙げられる.しかし,不純物濃度の測定は手分析に頼っている場合が多いため,プラント障害への対応が遅れる恐れがある.このため,不純物濃度のオンライン予測が求められている.本研究では,系統水中の主な不純物である鉄酸化物の濃度予測を対象とし,ソフトセンサーを用いたオンライン予測モデルを構築した.ソフトセンサー構築時に利用する変数は変数選択手法GAVDSを用いて決定し,不純物濃度予測に重要な因子の同定を行った.提案手法を三つのケーススタディについて適用した結果を報告する.