抄録
有機合成経路設計システムAIPHOSは、情報・経験指向および論理指向戦略の利点を活用し新規合成経路を創出するシステムであり、KOSPは、同様の戦略を用いながらも反応データベース から誘導した知識ベースを用いて戦略部位を認識する機能により、AIPHOS よりも経験指向的な要素の強いシステムである。TOSP は、既存反応から構築したTransform データベースを利用した完全に経験型のシステムである。これらのシステムは、重い処理を高速サーバに委ねるため、クライアントサーバ型システムとして開発されてきた。現在、ハード及びOSの進展により、パーソナルな環境において従来と比較にならない計算環境が手に入る時代となった。そこで、AIHOS活用の利便性のさらなる向上を目指し、独立型のパーソナルAIPHOSを開発した。その結果、開発効率の向上、運用の制約の排除、セキュリティに関する負荷の排除、等の効果を得た。