中部日本整形外科災害外科学会学術集会 抄録集
第105回中部日本整形外科災害外科学会
セッションID: 1-F-P-1
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P-01 P大腿骨頚部骨折4
大腿骨頚部骨折の保存療法の経験
篠田 潤子難波 良文正岡 俊二小見山 貴充花川 志郎
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抄録
【目的】高齢者の大腿骨頚部骨折は受傷を契機に歩行能力が低下する例が多く、認知症や循環器疾患の合併などにより治療に難渋する例も多い。保存療法を施行した大腿骨頚部骨折の臨床成績について検討したので報告する。 【対象と方法】1999年から2004年までの5年間で保存療法を施行した大腿骨頚部骨折16例(男性3例、女性13例)で平均年齢81.9歳(62_から_95歳)、11例に認知症および精神障害を認めた。骨折型、骨癒合の有無、受傷前と退院時の歩行能力・生活場所などについて検討した。歩行能力は独歩、補助具歩行、車椅子移動、寝たきりの4段階に分け、受傷前・退院時に判定した。 【結果および考察】Garden stage Iが2例、stage IIが3例、stage IIIが4例、stage IVが7例で、2例に合併損傷を認めた。受傷前と同等程度の歩行能力を獲得したものは2例で14例は歩行能力の低下を認めた。骨癒合を得られた3例中2例は歩行能力を再獲得した。受傷前の生活場所は自宅が8例、老人施設が6例、病院が2例、退院先は自宅が5例、老人施設が6例、病院が5例であった。 【考察】認知症と歩行能力獲得については関与が少なく、合併損傷のある症例では歩行能力の低下が大きかった。多くの症例で歩行能力の一段階の低下を認め受傷前の歩行能力が高い症例では低下度も大きかった。歩行能力の低下度と認知症および精神障害との関与は少ないと思われた。
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© 2005 中部日本整形外科災害外科学会
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