中部日本整形外科災害外科学会学術集会 抄録集
第105回中部日本整形外科災害外科学会
セッションID: 2-E-O-9
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O-33 脊髄腫瘍2
馬尾神経腫瘍に対するrecapping hemilaminoplastyの経験
林 寛之横川  明男小林 忠美山門 浩太郎
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抄録
<目的>当科では馬尾神経腫瘍に対してrecapping laminoplastyを行ってきたが、今回手術侵襲の小さいrecapping hemilaminoplastyを2例の馬尾神経腫瘍に対して行ったので報告する。<症例呈示>症例、62歳の男性。MRIにてL2/3レベルにT1でlow、T2でhigh、Gd造影で造影される27×15mmの硬膜内腫瘍を認めた。手術はL2のrecapping hemilaminoplastyにて行った。手術手技は腰椎後方を片側のみ展開。腫瘍高位の椎弓部、棘突起をT-sawを用いて切除し、椎間関節を切開し片側の下関節突起ごと椎弓をはずし硬膜を展開。腫瘍摘出後椎弓を戻し、椎弓峡部をPLLAピン、非吸収糸で、棘突起を非吸収糸で固定する方法である。<考察>従来法では広い手術視野が得られ、腰椎の解剖学的構築を温存できるという利点があったが手術侵襲がやや大きくなるという欠点もあった。侵襲を抑えた様々な方法があるがいずれも一長一短で腰椎後方の両側展開が必要なことや、手術視野、操作性に問題がある場合がある。本術式では後方成分の骨癒合が早期に得やすい点、筋群の展開は片側のみで行える点が利点であり、手術視野、操作性においても従来法と特に遜色はなかった。<まとめ>2例の馬尾神経腫瘍に対してrecapping hemilaminoplastyを行い、良好な成績が得られた。短期成績な為、今後更に慎重な経過観察を続けていく必要がある。
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© 2005 中部日本整形外科災害外科学会
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