抄録
われわれは、高齢者にも安全、低侵襲に行える術式として椎体形成術を行い積極的に行い良好な結果を得ている。
(対象及び方法)
側面機能撮影で骨折部不安定性を有する脊椎圧迫骨折33例33椎体(新鮮例 28例 28椎体 vacuum cleftを有する陳旧例 5例 5椎体)で平均年齢は78歳(62ー99)であった。
Postural reduction で可及的に変形を矯正し、経皮的にcannulated drillで椎弓根を開窓し、独自に開発考案した大田棒を順番に挿入していく。
新鮮例では大田棒で正常海綿骨を押し固めて椎体前方中央部で交通する閉鎖空間を形成する。偽関節例ではcleft の内腔にある瘢痕組織や壊死骨の摘除を4mmの関節鏡で鏡視しながら確実に摘除している。大田棒を抜去し、1cc注射シリンジを経皮的に椎弓根に挿入し充分に生理食塩水でフラッシングし、造影剤で椎体外へのリークがないことを確認しCPCを椎体内へ充填している。
(結果)
レントゲン評価では33例33椎体において、あ骨癒合が得られた。
術後は術前の後屈位に比べても充分に矯正されていたが、徐々に矯正損失した。新鮮例とvacuum cleftを有する陳旧例の比較では、術前の不安定性は陳旧例の方が大きいにも関わらず、術後の整復位は陳旧例の方が良好に保たれていた。
(考察)
新鮮例において圧壊進行の原因はバイオペックスの圧壊よりも周りの海綿骨の圧壊によるものと考えられた。