理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 484
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神経系理学療法
在宅脳卒中患者に対するRivermead Mobility Indexの有用性の検討
*齋藤 圭介原田 和宏香川 幸次郎平上 二九三日高 正巳嶋田 智明
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抄録
【はじめに】脳卒中患者のリハビリテーションでは,移動能力(Mobility)の獲得が重要な支援目標に位置づけられている。特に歩行能力においては,自立可否や歩行速度に関する発症後早期からの予後予測が可能となる一方で,近年では長期予後に関する検討が着手されるに至っている。ただし移動能力は,WHOの定義(1980年)に従い,寝返りから屋外歩行といった高次な動作までの移動全般を包含する幅広い概念と解釈するのが一般的である。我々の先行研究レビューによると,移動能力の包括的評価や予後研究を可能とする移動能力評価尺度が多数開発されていた。中でもCollenら(1991年)が開発したRivermead Mobility Index(以下,RMI)は,妥当性と信頼性が最も検討され,しかも個々の移動能力が階層構造をなすガットマンスケール(Guttman scale)であり予後研究には望ましい構成であった。そこで本研究では,RMIの有用性について,妥当性と信頼性,特に未だ十分検証されていない構成概念妥当性について検討することを目的とした。
【対象と方法】岡山県T市内1病院の外来脳卒中患者373名のうち,調査に同意の得られた170名(男性98名,女性72名,平均年齢74.3±8.1歳)を対象とした。診断名の内訳は,脳梗塞148名,脳出血17名,くも膜下出血5名であった。調査項目は,医学的属性,最大歩行速度,Barthel Index原法(以下,BI)およびRMIとし,面接調査法により調査を実施した。RMIは15項目の移動動作から構成されている。この尺度は本邦で使用した研究が殆ど見られないことから,我々が邦訳したものを使用した。RMIの構成概念妥当性に関して,先ず尺度の内部構造に関する一次元性を,構造方程式モデリングによる検証的因子分析を用い検討した。また他変数との関連から構成概念妥当性を検討すべく,Collenらが行った検討と同様,BIならびに最大歩行速度との関連をSpearmanの順位相関係数を用い検討した。他方,尺度の一次元性に関しては,ガットマンの尺度解析ならびにMokken scale analysisを用い検討した。信頼性に関しては,KR-20信頼性係数で検討した。
【結果と考察】RMIに関して検証的因子分析を行った結果,1因子モデルが統計的な許容水準を満たす適合度を示した。RMIは従来こうした検討が行われていなかったものの,本研究により内部構造に関する一次元性が確認された。さらに相関分析において,BI(rs=0.64),最大歩行速度(rs=0.71)共に統計的に有意な相関関係を認め,RMIの構成概念妥当性が支持された。他方,ガットマンの尺度解析ならびにMokken scale analysisの結果,ガットマン再現性係数が0.90,尺度化係数が0.71を示し尺度の一次元性が確認され,度数分布からガットマンスケールとしての特性が支持された。またKR-20信頼性係数は0.86を示した。以上の結果から,RMIは構成概念妥当性,一次元性,信頼性に裏打ちされ,脳卒中患者の移動能力評価尺度としての有用性をもつことが示唆された。
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© 2004 日本理学療法士協会
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