理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 205
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骨・関節系理学療法
脛骨捻転角度と距骨下関節角度との関連
変形性膝関節症患者と健常成人との比較
*川端 哲弥
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抄録
【はじめに】臨床場面において変形性膝関節症(以下,OA)患者の立位姿勢は内反膝を呈し,足部アーチが低下している場合が多い。入谷らは内反膝の特徴として,脛骨が内捻傾向にあるとしている。今回,OA患者と健常者の脛骨捻転の臨床的指標である果部捻転を計測し,その角度と距骨下関節(以下,ST関節)の回内外角度との比較を行い,併せて脛骨捻転とST関節回内外角度との関連性も検討したので報告する。
【対象】本研究の主旨に同意を得た内反変形を呈するOA患者8例16肢(男性1例,女性7例,平均年齢73.0±5.37歳,以下,症例群)を計測した。また,対照群として膝関節に既往のない健常成人10例20肢(男性4例,女性6例,平均年齢30.4±13.43歳,以下,健常群)も同様に計測した。
【方法】果部捻転は,安静背臥位にて脛骨粗面から内側縁に続く軟部組織が少ない部位の傾斜部分をなす線と内外果中心部を結んだ線とのなす角度とした(以下,捻転角)。ST関節の回内外は,安静腹臥位にて踵骨の中心付近の近・遠位部2点と後方下腿遠位1/3に1点マーキングを行い,踵骨を徒手的に操作し,下腿と踵骨のなす角度を計測した。尚,捻転角は勾配計,回内外はゴニオメーターを使用した。分析方法は(1)症例群と健常群とで捻転角,回内外それぞれを比較検討した。(2)すべての被検者の捻転角から平均値を算出し,その値より低い者(以下,内捻群)と高い者(以下,外捻群)に分類した。そして,内捻群と外捻群の回内外それぞれを比較し,捻転角と回内外の関連性を検討した。統計学的解析にはt検定を用いた。
【結果】(1)症例群の捻転角は36.75±9.13度,回外23.13±9.13度,回内5.31±9.13度であった。健常群の捻転角は47.05±8.10度,回外31.00±7.00度,回内7.50±4.73度であった。症例群と健常群の比較において回内については有意差が認められなかったが,捻転角と回外については有意差が認められ(p<0.01),症例群は健常群と比べ内捻傾向を示し,回外の角度が減少していた。(2)捻転角の平均値は42.2±9.92度で内捻群と外捻群の比較においては回内,回外ともに有意差は認められなかった。
【考察】OA患者は脛骨が内捻傾向にあり,回外角度が健常群に比べ減少していた。しかし,脛骨捻転角度とST関節の回内外角度との関連性は認められなかった。健常者とOA患者間の回外角度の差異は足関節への力学的影響の違いにより,生じたものと考えられた。つまり,OA患者は内反膝により下腿が外側に倒れているため,ST関節は回外方向へのストレスが生じやすく,そのストレスを代償するために回外角度が減少すると推察された。OA患者の内捻傾向については,骨形態は成長期に決定されることから, OA患者は健常者と比較し,脛腓関節部で脛骨と腓骨の相対的位置関係が変化している可能性があると考えられた。
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© 2004 日本理学療法士協会
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