理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 909
会議情報

骨・関節系理学療法
頸部周辺筋緊張性頭痛症の段階的診療法
*森川 美紀, 山田 雄士, 有川 功
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】
運動器官由来頭痛症は頸部の局所病変による症状、局所病変周辺部の炎症による症状、当該脊髄反射性筋肉緊張持続による症状、当該交感神経節反射性細動脈攣縮による症状が重層的に加算・合算されている。頸部周辺筋緊張性頭痛症の段階的診療法を報告する。
【方法】
1. 対象患者2003年1月4日から2003年10月30日の間に当院へ来院し、頭痛を訴えた初診患者56名。2.段階的理学療法 第1段階:頭痛が存在する側の星状神経節(以下SGと略す)に直線偏光型近赤外線照射(東京医研製SUPER LIZER HA-550出力100% 2秒ON 6秒OFF 7分間照射 以下SLと略す)を施行した。第2段階:触知・圧迫テストで運動時痛が軽減あるいは消失する筋肉にSL照射もしくは個別的筋ストレッチングを施行した。第3段階:筋肉内トリガーポイント(以下TPと略す)にSL照射あるいは温熱療法を施行した。第4段階:大後頭神経、小後頭神経、大耳介神経などの神経絞扼障害を評価し対応した。第5段階:後頭環椎関節および頸椎椎間関節に徒手療法を施行した。3.頭痛の評価 頭痛の部位を1)前頭部、2)側頭部、3)後頭部に分類した。4.左右各部位の段階的評価と対応後に疼痛の変化をPain Scaleでa.消失Pain Scale 0、b.改善Pain Scale 1から7、c.非改善Pain Scale 8から10とした。
 【結果】
56全症例の疼痛の部位数は前頭部39部、側頭部17部および後頭部46部、合計102部であった。56症例中48例に第1段階のSGへの対応を行った結果、頭痛消失6例、改善37例、非改善5例であった。86部位中、12部位(14%)が消失、62部位(72%)は改善、12部位(14%)は非改善であった。第2段階では第1段階対応後に疼痛が残存した42例とSGへの対応を施行しなかった8例(計50例)の運動時痛を評価した。運動時痛を認めた44例中、36例は中斜角筋、8例は僧帽筋或いは胸鎖乳突筋にSL照射後、頸部の動作痛が改善したが、頭痛は残存した。第3段階では筋肉内TPと関連痛の視点で対応した結果、頭痛消失症例は9例であった。第3段階の対応後疼痛が残存した41例に神経絞扼の視点で対応した結果、頭痛消失35例、改善5例、非改善は1例であった。当院では段階的な評価と対応を2から3回施行し、頭痛が残存した場合はMRI検査や神経内科医の診察を行っているが、現在まで脳疾患、体性神経疾患、悪性腫瘍など重篤な疾患を経験していない。
【考察】
第1段階の交感神経節機能の評価と対応では頭痛消失、改善は70%であった。全症例の89%は交感神経と頸部周辺筋への対応で頭痛が消失した。筋緊張性頭痛症は疼痛発現責任筋肉への対応は勿論であるが交感神経節機能の評価と対応が必要である。
【まとめ】
頭痛は整形理学療法の良い適応である。
著者関連情報
© 2004 日本理学療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top