理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 496
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理学療法基礎系
部分荷重量の違いが下肢関節モーメントに与える影響について
*永谷 元基, 中井 英人, 荒本 久美子, 森 友洋, 牧本 卓也, 澄川 智子, 阿部 友和, 林 尊弘, 佐藤 幸治, 杉浦 一俊, 林 満彦
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抄録
【目的】我々は健常人を対象に部分荷重における学習効果について検討してきた中で、荷重量の違いによって歩容が変化することを観察した.中でも片松葉杖での部分荷重は難易度の高い動作で、部分荷重量の減少に伴い健側上肢への負担が大きくなることから歩容の崩れを生みやすい.そこで今回部分荷重量の違いによって免荷側下肢にかかる負担と正常歩行との違いを3次元動作解析装置を用い比較検討し、若干の知見を得たのでここに報告する.
【方法】対象は、今回の実験に同意の得られた下肢に既往がない健常成人31 名(男性 18名、女性13 名)、平均年齢24.4±4.2歳、平均身長167.2±8.8cm、平均体重60.7±10.1kgとした.実験には、左右独立式床反力計(アニマ社製MG1120)、三次元動作解析装置(アニマ社製Locus MA6250)を用い、右肩峰、右大転子、右外側上顆、右外果、右第5中足骨頭の計5カ所に赤外線反射マーカーを付けサンプリング周波数60Hzにて正常歩行(以下FWB)を計測し、以下の運動課題を獲得直後にその都度計測した.運動課題は片松葉杖2動作歩行前型にて右下肢を免荷側とし、歩行スピードはメトロノームにて84beats/minuteに設定した.下肢荷重訓練装置(アニマ社製 MP-100)を用い、1/2荷重歩行(以下1/2PWB)、2/3荷重歩行(以下2/3PWB)、5/6荷重歩行(以下5/6PWB)を行った.1/2PWB、2/3PWB、5/6PWBはランダムに配置した.運動課題獲得は検者が下肢荷重訓練装置の目標値を達したときのアラームにて確認した.各計測間に5分間の踏み台昇降運動後、10分間椅坐位での休息を与えた.以上の計測より立脚期において各下肢関節モーメントに関して最大値を求め、4群間で比較検討した.統計にはBonferroni/Dunn検定を用い、危険率5%未満を有意差有りとした.
【結果】股関節外転モーメントは1/2PWB、2/3PWB、5/6PWB、FWBの順に大きかった.股関節屈曲、膝関節伸展モーメントでは全てのPWBがFWBと比べ大きく、また1/2PWBは5/6PWBに比べ小さかった.股関節伸展、足関節背屈モーメントでは標準偏差が大きかった.
【考察】部分荷重量は全ての下肢関節モーメントに影響を及ぼした.股関節屈曲、外転モーメントでは部分荷重量の減少に伴い関節モーメントも減少した.これは床反力の減少に加え、屈曲モーメントでは立脚後期の股関節伸展角度が減少したことが考えられ、外転モーメントでは杖に体重を乗せるため足圧中心前額面成分COPyが股関節中心へ近づいたと考えられる.膝関節伸展モーメントはFWBに比べ全てのPWBで小さかった.これは立脚中期から後期にかけての膝関節屈曲角度が増加したためと考えられる.股関節伸展、足関節背屈モーメントでは標準偏差が著しく大きかった.これは歩容を限定しなかったためであり、今後接地条件を含めた歩容の検討が必要と思われた.これらのことより杖の使用による荷重量の減少が床反力の減少を生じることで全体的な下肢関節モーメントの減少に繋がっていたと示唆される.
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© 2005 日本理学療法士協会
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