理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 583
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内部障害系理学療法
無作為コントロール試験による塩酸プロカテロールの単回投与がCOPD患者の運動能力に及ぼす影響
*鋤崎 利貴神津 玲大石 和徳根地嶋 誠儀間 裕貴河北 実保子栗田 健介宮本 直美江崎 めぐみ岩永 桃子力富 直人千住 秀明
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キーワード: COPD, 塩酸プロカテロール, SWT
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抄録
【はじめに】
 安定期のCOPD患者は症状管理の中心として気管支拡張薬が処方されている。この気管支拡張薬は呼吸機能の改善効果や持続時間に関する効果は示されているが、運動耐容能での効果とその持続時間については十分に立証されていない。そこで今回われわれは、気管支拡張薬の効果が運動耐容能に影響を与えているか否かを検討するために、塩酸プロカテロールの単回投与を行い4時間後に歩行能力の指標としてシャトルウォーキングテスト(以下SWT)を行い検討したので報告する。
【対象】
 倫理委員会の承認を得た上で、インフォームドコンセントが得られた安定期のCOPD患者14名を対象とした。対象者の内訳は男性11名、女性3名であり、平均年齢72.6±5.1歳、平均身長156.6±7.3cm、平均体重53.2±11.4Kgであった。
【方法】
 塩酸プロカテロールの吸入は1回、20μgで行った。測定項目は肺機能検査、SWTである。この測定は3日間に分け3回行い、各測定の12時間前に通常使用している気管支拡張薬の吸入のみ休止した。まずSWTの練習を一度行った。1回目はベースラインとして肺機能、SWTを測定した。2回目は『塩酸プロカテロール吸入4時間後』あるいは『無投薬』のいずれかの測定にランダム割付を行った。3回目はクロスオーバーして同様に測定を実施した。測定は薬理効果以外の影響を避けるため、2週間以内に3回、同一時刻に行った。統計処理は上記3群間での肺機能、SWTの測定値を分散分析を用いて比較した。
【結果と考察】
 肺機能の値は3群間に有意差は認められなかった。SWTの歩行距離の値はベースライン273.6±33.2m、塩酸プロカテロール吸入4時間後309.3±37.6m、無投薬285.0±33.7mであり、塩酸プロカテロール吸入4時間後の歩行距離はベースラインと無投薬時より有意に増加していた(p<0.05)。これまでの報告の中で運動耐容能に対する効果の持続時間に関する報告はほとんどされていない。今回は即効性があり運動前・後の呼吸困難時に頓用することに適している塩酸プロカテロールが4時間後の運動耐容能に影響を与えていることが示唆された。このように呼吸困難感を訴えるような日常動作やトレーニングを効率的に行うことができるように気管支拡張薬の適応を考慮するとともに吸入する時間を検討する必要性が示唆された。
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© 2005 日本理学療法士協会
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