理学療法学Supplement
Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: P-HT-01-2
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心臓弁膜症に対する待機的手術患者における術前のサルコペニア有症率
大塚 脩斗坂本 裕規佐々木 康介下雅意 崇亨山根 崇史古川 裕小山 忠明岩田 健太郎
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抄録

【はじめに,目的】

本邦は世界トップクラスの長寿国を維持しているため,加齢による変化に関する正しい知識が必要であり,その一例としてサルコペニアが注目されている。サルコペニアとは,進行性および全身性の筋量および筋力の低下を特徴とする症候群と定義されており,サルコペニアであることは入院期間の延長や6ヶ月後の高い死亡率,高い再入院率などに影響を与えることが示されている。サルコペニアの有症率については,地域在住高齢者を対象とした報告は散見されるが,疾患に特異的な報告は少ない。また,サルコペニアと低栄養が中核をなすfrailtyを心大血管疾患の開心術前に呈していることが術後の死亡率を予測する因子であるとの報告はあるが,心臓弁膜症と術前におけるサルコペニアとの関連性について報告した研究はこれまでにない。そこで本研究の目的を,心臓弁膜症に対する手術を待機的に施行した患者における術前のサルコペニア有症率を明らかにすることとした。

【方法】

本研究の対象は,2016年6月から2016年8月までに心臓弁膜症に対する手術を待機的に施行した65歳以上の患者37名において,欠損値があるものを除いた31名(76.0±6.8歳,女性16名)とし,術前に握力,通常歩行速度,筋肉量の評価を行った。握力は左右各3回測定し,それらの最大値を指標とした。通常歩行速度は4m歩行時間を2回測定し,それらの最大値を用いて算出した。骨格筋量の評価は生体電気バイオインピーダンス法(InBody S10,株式会社インボディ・ジャパン社製)を用いて測定し,骨格筋量指標(Skeletal Muscle Mass Index)を算出した。なお,サルコペニアの評価にはAsia Working Group of Sarcopenia基準を用いた。

【結果】

本研究の対象者における術前のサルコペニア有症率は22.5%であった。

【結論】

本研究では,心臓弁膜症に対する手術を待機的に施行した患者における術前のサルコペニア有症率を明らかとした。本研究の結果より,心臓弁膜症に対する手術を施行した患者における術前のサルコペニア有症率は,地域在住高齢者を対象とした先行研究における有症率よりも高いことが示唆された。今後は,術前のサルコペニアの有無が術後の経過に与える影響について検討する必要がある。

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© 2017 日本理学療法士協会
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