理学療法学Supplement
Vol.47 Suppl. No.1 (第54回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: J-24
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パネルディスカッション
災害復興と予防理学療法学
坂口 暁洋
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抄録

 東日本大震災を機に広島県内でも災害時の支援体制が加速し,平成25年2月に広島県理学療法士会(以下,本会)は広島県災害時公衆衛生チームと人材派遣に対する協定を結んだ。それ以降,広島県等が主催する研修会に本会会員を派遣して人材を育成し,平成26年5月には本会主催にて災害リハビリテーション研修会を開催して広島県や大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会(JRAT)の取り組みについて学んだ。平成26年8月広島市豪雨土砂災害が発生し,広島県災害時公衆衛生チームが広島県リハビリテーション支援センターを中心に,広島県地域リハビリテーション広域支援センター,広島県老人保健施設協議会,広島県理学療法士会などが連携して支援活動を行った。平成27年度には,本会内に災害支援リハビリテーション委員会を設置した。また広島JRATが組織され,本会も災害時協力団体に加盟した。平成28年4月の熊本地震では,広島県災害時公衆衛生チームと広島JRATの2チームが別々に支援活動を実施したが,本会からは物的支援のみ行った。平成30年7月の西日本豪雨災害では,広島県庁内の1つの対策本部組織図内に2チームが配置され協働できたことは重要であり,本会からは広島JRATに対して人材を紹介し,実際の支援活動にまで至ることができた。これまでの支援活動を通じて,広島県内におけるリハビリテーションに関する支援活動チームは,広島県災害時公衆衛生チームと広島JRATの2チームが確立され,本会の役割は発災後早期に支援協力者を募り,各チームの要請に対して人材の派遣や紹介をすることとなった。これまでの経験を通じて,災害には様々なケースがあり,発災してしまえばあらゆる混乱が起きることが前提となり,全ては平時にあると改めて感じている。

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