抄録
特定のサービス施設が生存できる可能性を示す指標として、国土交通省が定める「存在確率」がある。存在確率は市町村内に当該施設がある場合に「存在する」と定義され、その存在可能性を人口規模別に累積することで、施設の存続できる・撤退する基準点が示される。一方で既存の定義では、基準点の候補値が複数存在し、撤退・存続可能性が過大・過小に評価されている場合がある。そこで単調性を有するロジスティック関数を用いて平滑化し、基準点を一意にする補正を行った。モデル補正後の応用として、人口減少に伴うサービス産業の撤退可能性について石川県を例に分析し、撤退可能性が極めて大きい地域の特徴や施設・産業の特徴を明らかにした。