日本口蓋裂学会雑誌
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川崎医科大学附属病院形成外科における過去10年間の口唇口蓋裂の統計的観察
牟禮 理加森口 隆彦光嶋 勲岡 博昭井上 普文河村 進江藤 久志小野 陽子津田 邦義梶川 浩太田 茂男奥本 和生佐原 慶一郎
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1990 年 15 巻 3 号 p. 198-205

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抄録
1978年1.月から1987年12月までの過去10年間に0次形成手術希望にて当科を訪れた口唇口蓋裂患者462名について統計的観察を行い,以下の結果を得た.
1.年度別来院患者数は減少傾向にあった.
2.患者の居住地域分布は,岡山県(193名:41.2%),広島県(126名:27.3%)が中心で,中国・四国全域より来院していた.
3.裂型別分類では口唇顎口蓋裂が40.3%と最も多く,次いで口蓋裂21.6%,口唇顎裂21.2%,口唇裂15.6%,口唇裂口蓋裂1,3%の順であった.
4.性差は男子271名,女子191名と1.4:1の割合で男子に多く,裂型別では口唇裂,口唇顎裂,口唇裂口蓋裂,口唇顎口蓋裂は男子に多く,口蓋裂は女子に多い傾向がみられた.
5.破裂側は4.1:1の割合で片側が多く,左右別では1.9:1で左側に多い傾向があった.
6.家族内発生率は8.4%であった.
7.合併奇形の発現率は14.5%で,口蓋裂に多くみられ(26.3%),四肢奇形,耳介奇形,Pierre Rbin症候群が多かった.
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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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