日本口蓋裂学会雑誌
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頬筋粘膜弁法の言語成績
瀬崎 晃一郎鳥飼 勝行佐藤 明男竹下 圭子前田 華郎佐々木 恵一武田 啓中北 信昭
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1996 年 21 巻 4 号 p. 203-206

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抄録
我々は,顎発育を考慮し,頬筋粘膜弁を用いた口蓋形成術を行ってきた.1988年5月から1990年6.月までに神奈川県立こども医療センターに於いて1同法によって口蓋形成術を施行した40例について術後言語成績を検討した.本法の主要目的である,健常に近い顎発育についての検索を行うにはまだ至っていないので中間報告として発表した.
(1)鼻咽腔閉鎖機能;40例中,良好:30例(75%),軽度不全:7例(17.5%),不全:3例(7.5%)であった.
(2) 言語成績:良好な言語を自己習得したものは12例(30.0%)であった.構音障害を示したものは,28例(70.0%)でありその内訳は声門破裂音が11例(27.5%)と最も多かった.
(3)痩孔:裂型別の痩孔発生率は13例(32.5%)であった.いずれの痩孔も直径1cm以下の小さなものであった.
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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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