抄録
昭和45年から56年の間に,昭和大学病院形成外科を受診した唇裂・口蓋裂患者,2.548例を対象として,唇裂・口蓋裂における合併奇形について調査した.
他種奇形の合併率は5.14%であり,これを裂型別にみると,唇裂2.35%,唇裂口蓋裂6.01%,口蓋裂14.2%で,口蓋裂単独のものにおいて,最も高率な値となった.
これらの合併奇形のうちで多くみられたものは,膀,鼠径ヘルニア,先天1生心疾患,Pierre Robin症候群・四肢奇形,耳介奇形,巨口症,斜顔面裂,舌小帯癒着症等であった.
また,一般の出現頻度より明らかに高率であったものは,先天性心疾患,Pierre Robin症候群,四肢奇形,小耳症,巨口症,斜顔面裂であった.