日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第7回大会
セッションID: P3-24
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変化の見落とし課題における注意配分の効果
*富田 瑛智澤田 裕介森川 和則
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抄録

 変化の見落とし課題(Change Blindness)における注意配分の効果を検討した.注意配分の操作には,小さな文字で大きな文字を構成するNavon図形を用いた.Navon図形に対してGlobal処理を行う(大きな文字をみる)方略とLocal処理を行う(小さな文字をみる)方略によって注意の配分を促した.Navon図形による効果は顔の再認課題で生じることが報告されている(Macrae & Lewis,2002).しかし,その効果はNavon図形の大きさによって異なるとされる(Perfect et al.,2008).そのため,実験1で大きなNavon図形(Global処理が難しい),実験2で小さなNavon図形(Local処理が難しい)を用いた.実験では,Navon図形を反復提示しGlobalまたはLocal処理を行った直後,変化の見落とし課題を行い変化の検出時間を測定した.結果,変化部分の小さな課題において,実験1ではグローバル処理,実験2ではローカル処理のほうが有意に速く変化の検出が行われた.注意配分の方略よりも,意図的な注意配分に効果がある可能性が示唆された.

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© 2009 日本認知心理学会
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