日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第7回大会
セッションID: P3-32
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生物の追加・削除画像が喚起する違和感の評定
*内野 八潮箱田 裕司安藤 満代
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抄録
 本研究では,二種類の違和感尺度を用いて生物の追加・削除画像の評定実験を行い,生物画像の再認において認められる削除優位を検討した.実験1では,快-不快と奇異性因子からなる違和感尺度(内野他,2005)によってネコ画像の評定実験を行った.その結果,追加画像の方が削除画像よりも奇異であると判断されていた.しかしこれは追加優位が認められるシーン線画等と同様の結果であり,奇異性以外の因子が変化の検出メカニズムに影響している可能性を示している.実験2では快-不快,奇異性,憐憫因子からなる違和感尺度(箱田他,2008)によってネコ画像とチョウ画像の評定実験を行った.その結果,“かわいそう”などの項目を含む憐憫因子では,削除画像の方が追加画像よりも憐憫的な感情を強く喚起していた.これらの結果から,生物画像では情動的な要因が追加・削除の検出に関わっていることが考えられる.
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© 2009 日本認知心理学会
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