抄録
本研究では,瞳の輝き(キャッチライト)が顔の魅力に及ぼす影響を検討した。同一人物の瞳のキャッチライトありとキャッチライトなしの顔画像を対呈示し,魅力な方,アイコンタクトしていると思う方,生き生きしていると思う方を強制選択させた。顔画像の呈示時間は,正立顔500 ms,正立顔200 ms,倒立顔200 msのいずれかであった。実験の結果,正立顔では呈示時間に関わらず,キャッチライトのある顔を魅力的だと判断することが明らかとなった。一方,倒立顔では正立顔のような効果は得られず,キャッチライトのある顔の選択率はチャンスレベルであった。従って,キャッチライトの存在そのものに対して魅力判断が行われたのではなく,キャッチライトのある顔に対して魅力判断が行われたことを示している。