報酬と連合した視覚的特徴(例:色)は注意を捕捉する。しかし,注意を捕捉する刺激特徴と報酬の連合(価値の学習)メカニズムについては不明な点が多い。すべての先行研究では,報酬と連合する特徴が課題遂行中に提示されていた。このことから,注意を捕捉する価値の学習には,報酬と連合する特徴を課題画面で提示する必要があると示唆される。そこで本研究では,学習時に報酬と連合する特徴を課題画面の直前(注視点時),あるいは後(フィードバック時)に提示し,価値による注意の捕捉が生じるか否かを検討した。その結果,学習時に報酬が課題の画面で提示された場合は(実験1),価値の学習による注意捕捉が生じたが,一方,学習時に報酬が課題の画面以外(課題前後)で提示された場合は(実験2・3),注意捕捉がみられなかった。このことから,注意を捕捉する価値の学習は,報酬と連合する特徴を課題の画面に提示した場合に生じることが示唆された。