日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第13回大会
セッションID: P-1-8
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ポスターセッション1
関連情報の想起順序に対する文脈と関係度の関係
寺西 祐二*川端 康弘
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抄録
先に提示した情報によって関連する情報の検索が促進されることが知られている。意味ネットワークモデル(Collins & Loftus, 1975)では関係する表象をリンクで結び、活性化が伝わることによりその現象を説明している。その後の研究により、文脈を与えることで関連する情報の記憶が促進されることが示された。ここから、意味ネットワーク上での記憶配置は文脈に関連した構造になっていると推測される。本研究では自由放出法を用いて特定の単語を異なる文脈で提示し、回答される項目に文脈による違いが生じるかを検討した。本研究で用いた文脈は、対象もつ機能を遂行する(F)・遂行できない(D)・機能に言及しない物(U)を用いた。結果として、文脈Fにおいてのみ単語の違いが示されなかった。また、「リンゴ」では文脈Fは文脈D,Uよりも有意に少ない項目しか回答されなかった。このことは、検索システムにおいて対象の機能が重要な手がかりになっていることを示唆していると思われる。
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© 2015 日本認知心理学会
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