日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第13回大会
セッションID: P-1-48
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ポスターセッション1
非注意のリズム刺激による低周波脳波律動と感覚ゲーティング
荒生 弘史*黒川 智愛理*諏訪園 秀吾
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抄録
冗長な入力に対する活動レベルを抑えることは,脳における情報処理の基本戦略の一つであり,種々の精神疾患ではその機能低下が報告されている(e.g., 感覚ゲーティング)。聴覚において,時間的に等しい長さを基本とした知覚内容が生じやすいことは,時間的規則性の原理と呼ばれている。本研究では,600ms(無記時程付近)の等間隔を保ち生じるスネア音を標準刺激として,そこからの逸脱刺激を時折出現させ,視覚課題に集中している参加者に呈示した。その結果,同一の標準刺激であっても,規則に適合する際に事象関連電位のN1が顕著に減衰するのに対し,逸脱刺激の直後にはN1が増大することを示した。標準刺激の連続に対する反応は,刺激頻度にあたる約1.67Hzの低周波律動としても解釈できた。この律動は,刺激間で緩やかな変動を繰り返しており,等間隔性をコード化し,後続の出現タイミングを予測する働きとの関連が考えられた。
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© 2015 日本認知心理学会
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