日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P4-15
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名前に濁音のつくポケモンは強くて悪いが派手にはならない
:Osgoodの意味空間次元による音象徴効果の検討
*井関 龍太
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抄録
ポケモンを想定した新規な名前の印象に音象徴効果が働くことについては複数の報告がある。濁音の効果がよく検討されており,濁音の名前は,清音に比べ,強い,大きい,重い,あくタイプであるなどの印象をもたらしやすい。濁音と清音という一種類の音の対立から複数の次元に効果がみられることからすると,音とそれぞれの印象の間に独立の結びつきがあるのではなく,共通の意味的次元が存在することが考えられる。本研究では,濁音・清音を含む新規な名前について,Osgoodの意味空間の3つの次元に対応する9種類の評定を求めた。実験の結果,評価性(良さ,美しさ,面白さ)と力量性(強さ,重さ,鋭さ)の次元については1つの場合(面白さ)を除いて濁音と清音の印象に有意な差が見られた。一方,活動性(派手さ,安定性,動的)の次元についてはいずれの尺度でも差は見られなかった。そこで,ポケモンを想定した印象評価では,濁音の音象徴効果は主に評価性と力量性に働きかけるものと思われる。
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