日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P3-13
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新奇な音楽に対するdéjà entenduがノスタルジアに及ぼす影響
*榊原 佑奈*森 将輝*藤井 進也
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抄録
ノスタルジアは、自伝的な記憶だけでなく、生前の社会や文化に関する知識からも喚起される。先行研究では、déjà vu(既視感)が生じやすい特徴を持つ新奇な情景はノスタルジアを喚起しやすく、これら二つの現象は密接な関係があることが示唆されている。ただし、新奇な音楽の認知において同様の傾向があるかは定かでない。本研究は、新奇な音楽に対するdéjà entendu(既聴感)がノスタルジアに及ぼす影響を検討した。有効回答者170名は、37曲を30秒間聴取し、各楽曲に対する聴取経験とdéjà entenduの有無、ノスタルジアの主観的強度を回答した。楽曲と参加者を変量効果においた線形混合モデルの結果から、déjà entenduが生じた場合は、ノスタルジアの主観的強度が有意に高いことが示された。この結果は、情景認知だけでなく音楽認知においても、既知感がノスタルジアを喚起する可能性を示唆する。
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