ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)は脳機能の一部と機械を融合させ,障害を低減するための技術である。われわれは2008年より開始された文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムの中で非侵襲型BMIを臨床実証する中核拠点として,脳波BMIによるインターネット上仮想空間セカンド・ライフ内のアバターの制御および上肢電動装具の制御が可能な機能代償型BMIを開発し,臨床例で実証してきた。さらに,重度片麻痺例の上肢をターゲットとした機能回復型(治療型)BMIの開発に着手し,BMIニューロフィードバックトレーニングにより随意筋電の誘導や脳の可塑的変化の誘導が可能なことを示してきた。今後は,症例をさらに積み重ねていくとともに,脳機能イメージングおよび電気生理学的手法を用いて,可塑性誘導のメカニズムを解明していく予定である。