認知リハビリテーション
Online ISSN : 2436-4223
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原著
  • ~非道具,疑似道具での検討~
    梅田 実穂, 髙木 早希, 大門 正太郎, 板口 典弘
    原稿種別: 原著
    2024 年 29 巻 p. 1-19
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/22
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    左脳梗塞により,右手での道具把持の困難さを認める症例を経験した。把持動作の障害は主に握り方の誤りや把持動作の拙劣さであった。実物品を用いた把持動作の訓練にて,握り方の誤りは改善を認めたが,把持動作の拙劣さが残存しており,道具使用の困難さの訴えが聞かれていた。右手での道具把持の困難さの要因を明らかにするため,非道具,疑似道具を用いてEnd State Comfort(ESC)課題を実施した。また,訓練として非道具を用いてESC課題を6週間行ったところ,把持動作における所要時間の短縮や逡巡の減少を認め,日常生活場面において右手が使いやすくなったとの訴えが聞かれた。ESC課題を継続して実施することは把持動作における運動の選択・実行過程の改善に効果的であった可能性が考えられる。

  • ‐自験例を含めた4事例のレビュー‐
    大森 智裕, 船山 道隆, 穴水 幸子, 石川 芽衣
    原稿種別: 総説
    2024 年 29 巻 p. 20-36
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/02
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    失行の検査では手の把握型や道具操作を分けた評価が重視されているが、道具の把握に選択的な失行を呈する患者の報告は、世界中でこれまでに4例のみにとどまっている。本報告の目的は、我々の症例を含め、これまで報告された道具の把握が選択的に障害された4症例をレビューし、責任病巣や神経学的症状、神経心理学的症状のほか、失行症状の詳細を比較することにより、道具の把握に選択的な失行を体系的に明らかにすることであった。レビューの結果、道具の把握に関連する脳領域は左頭頂間溝の前方領域が想定され、左一側病変であれば右手に、両側病変であれば両手に道具の把握の選択的な失行を生じる可能性が認められた。報告された症例の内2例は、右手に感覚障害を認めていた。また、全例共通して、道具の把握の誤りを呈する一方、把握を矯正すると正しい道具操作が可能であることから、道具を操作する能力は保たれていることが示唆された。以上より、道具の把握に選択的な失行の検出には、責任病巣・左右手の確認、道具の意味・把握・操作を分けた評価が必要である。これらの評価は、より効果的なリハビリテーションの方法と各要素の神経基盤の解明に繋がる可能性がある。

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