2010 年 48 巻 10 号 p. 10_18-10_26
シールドトンネルに用いる鉄筋コンクリート製セグメント(以下「RCセグメント」という。)は,近年,コストダウンの観点から,薄肉化・幅広化の傾向にある。その一方で,セグメントの組立時に発生するひび割れ・欠けが問題となっているが,RCセグメントに鋼繊維・有機繊維を混入することでこれらに対する抵抗性が向上することが知られている。さらに,繊維補強コンクリートの架橋効果による引張応力の分担作用を有効利用し,曲げ・せん断耐力を向上させることが期待される。本報告は,シールドトンネルのセグメントに繊維補強RCセグメントを合理的に適用するため,従来の設計手法を踏まえたうえで,引張軟化曲線を求めるための要素試験および部材実験結果に基づき構築した構造設計手法について取りまとめたものである。